今月は、個性について考えてみましょう。
現代社会は、超のつく国際化時代・高齢化時代・情報化時代です。その中で私たちは、個性的であることが生きる証し・自己の存在の証しだと思っています。そうとも思いますが、ちょっと考えてみてはいかがでしょうか。自分のホントウの個性って・・・なんだろうかって。
聞くは一時の恥、聞かぬは末代の恥という言葉があります。知らぬまま過ごすことの恥を戒めた言葉ですが、今は「羞恥心」という言葉が流行り、無批判にもてはやされています。また、「そんなの関係ねぇ」と連呼し、誰かがひげを生やせば、ひげを生やす。それが正しく、それが自分に似つかわしいか、ふさわしいかはあまり考えてはないような気がします。 極言すればモノ真似の個性は、最悪の事態として、練炭・硫化水素、そして、無差別通り魔殺人という結果に行きつくのでは・・・。個性が人に害をおよぼすものであってはなりません。
個性を持つためには、ゆっくりと考える時間が必要だと思います。また、豊かな経験と広い視野と自分を見つめる目もいるのではないでしょうか。モノ真似ではない、本当に自分にあった個性を作り上げていくことは、不安定な社会の中で自分を見失わないことなのです。
急いで個性的である必要はありません。自分の「仕込み」に労力を使い、じっくりと時間をかけて「熟成」された個性作りに挑戦してみてはどうでしょう。その時、初めて「みんなちがってみんないい」と言えるのではないでしょうか。